ロタウイルスとノロウイルスを比較してみます
ロタウイルスとノロウイルス、よく似ていて違いが分からないというひとは少なくないかもしれません。たしかに同じウイルス性胃腸炎で症状なども似ています。しかし微妙な違いがあるのでここで紹介します。
流行時期
ロタウイルス)冬の終わりから春先に流行します。
ノロウイルス)秋の終わりごろから冬の中頃に流行します。
感染対象
ロタウイルス)5歳までの乳幼児がほとんどですが、大人もかかることはあります。ロタウイルスの方が重症化しやすいのは小さな子供がかかりやすいためだといえるでしょう。
ノロウイルス)子供から高齢者まで幅広く感染します。
症状
ロタウイルス)激しい下痢と嘔吐、発熱が続きます。脱水症状に注意しなければなりません。便が白くなるのが特徴です。これはロタウイルスに感染すると激しい下痢のせいで胆汁の分泌が間に合わないことが原因だとされています。乳幼児は嘔吐などが続くと水分をとれずぐったりしてしまうことがあります。
こまめに水分をとらせ、もしもどうしても受け付けないようであれば医療機関を受診しましょう。命にかかわることがあります。
ノロウイルス)激しい吐き気が特徴。吐き気が治まる頃に水のような下痢がでます。健康な成人なら症状があまり出なかったり、でても1-2日軽い症状で終わったりしますが、小さな子どもや高齢者は1週間~10日、もしくはそれ以上に長引くこともあります。
感染経路
どちらも人から人への経口感染が主です。さらには感染者の嘔吐物や便などから感染することもあります。
ロタウイルス)アサリなどが原因で感染することもあるのですが、食べ物からの感染はノロウイルスのほうが多いです。
ノロウイルス)二枚貝などの牡蠣による感染が多いです。
予防法
感染経路が同じことから予防法も同じです。共有で使用するスペースの消毒はもちろん、感染者が使用しているものの消毒、嘔吐物の正しい処理などが二次感染を防ぐためにはとても大切です。
流行時期には二枚貝は生で食さないことも基本です。さらにノロウイルスでもロタウイルスでも一度感染すると、発症してから一週間から10日ほどは便にウイルスが含まれています。
そのためもしも下痢や嘔吐などの症状がおさまっても注意が必要です。どちらも集団感染しやすい病気ですから、自分が感染したときは特に人にうつさないよう配慮しなければなりません。特に嘔吐物を処理する場合は、高濃度の次亜塩素酸水で正しく対処するのがのぞましいです。
出校停止や出勤禁止にはなっていないものの、二次感染を防ぐためにも家で療養するのが望ましいでしょう。